柔らかい肌だから大人以上に刺激を感じやすい
幼児期は代謝よくてみずみずしいですが、肌バリアの役割を果たす皮脂が、非常に少ないために外部の刺激に弱くなります。生後間のない赤ちゃんなら、母体から貰ったホルモンの影響で一過性に脂っぽくなって、次第に半年くらいたつと皮脂は減少します。
外気の風の強さ温度、空調の風、紫外線など、外からの刺激には注意する必要があります。
赤ちゃんは特に、よだれ、汗、おしっこと汚れやすいので、基本的には毎日入浴し石けんをつけて手で洗ってあげます。大人が使うような殺菌力の強い洗剤や、必要以上に保湿成分が入りすぎたタイプも良くありません。
赤ちゃん用のボディソープで、洗い過ぎに注意する必要があります。
夏には直接扇風機の風が当たらないようにしたり、綿の衣服を着せたりして、肌の乾燥を防ぐことも大切になってきます。
綿は、水分を含み望ましいですが、アクリルの毛布などを直接肌に触れることは、避けた方がいいですね。生地に使われている糸の硬さは、柔らかい肌には少なからず刺激になります。ちくちくしたりして、ストレスを感じていないかも、時々チェックしてみます。
アトピー性皮膚炎の対処法
もっとも注意しなくてはならないのが、アトピー患者の8割が年齢が5歳までの幼児期に発症します。普通は、小学校ぐらいで自然治癒すると考えられていました。最近では、幼児期に発症したアトピーが、成人まで持ち越す例や、成人してから発症・再発の例が増加しています。
アトピーの初期症状は軽く見られがちですが、対処を間違えて症状を悪化させるケースもあるようです。
アトピー性皮膚炎は、かゆみが繰り返し襲ってきます。
もし乳児期・幼児期に、アトピー性皮膚炎にかかったら、肌に刺激を与えず保温することが大切です。乳幼児や、かゆいと我慢が出来ずに容赦なくかきむしってしまいますので、爪は短く切るなどして、肌を傷つけないように注意してあげることが大切です。
清潔なのもほどほどにが、将来の皮膚を強くする
この頃は、アトピー性皮膚炎の原因を、日本人の清潔好きにあると言われています。
毎日の入浴は、必要以上に皮膚のバリア機能を剥がし、細菌の侵入を許しています。密閉率の高い住宅建材のおかげで、室内は無菌状態なのも、様々な細菌からの抵抗力を奪っているのです。
元々の人間の体内には、無数の微生物が生息し、口の中は消化を助け、腸は排便を助け、皮膚の上の微生物は保湿を促す働きをしてくれます。微生物の中には、人間の身体にとって悪い働きをする物もありますが、まったく無菌状態で暮らすことは、悪い菌を退治する力を養うことが出来ません。
アトピー性皮膚炎の赤ちゃんの便には、大腸菌が少ないというデータもあるそうです。
赤ちゃんが何でも口にする癖があるのは、少しづつ体内に細菌を入れて、免疫力を高める訓練のなのです。インフルエンザの予防接種のように、出来るだけ多くの細菌に対する抵抗力を付けるために、口から細菌を取り込んでいるのですね。
少しぐらいの不潔でも、日本人は超がつくほど清潔好きなのですから、疫病にかかるなんてことはそうないはずです。
上手に赤ちゃんの周りの環境を整えて、菌と触れあえる状態をしておくのも、将来の皮膚を健康にするためには、必要なことのようですよ。