睡眠不足が招く身体の不調は一杯
人間の成長や修復、疲労回復の役割をもつ成長ホルモンってご存知ですか?
成長ホルモンは、体を作る青年期までは活発に分泌されますが、それ以降は低下しますので、それに伴って、人間の体は徐々に老化していくのです。成長ホルモンのレベルをあげることで、皮膚の厚みや弾力の増加、紫外線によるしわを減少することを、美容医学では注目をし始めています。
実際、中高年や高齢の芸能人は、若返り・若さの維持のために成長ホルモンを、注射やサプリメントで投与している方が多いようです。
成長ホルモンと睡眠の関係
実はこの成長ホルモンは、睡眠と深く関係していて深い睡眠をとっているときに最もよく分泌されます。深い睡眠は就寝後、2~3時間と言われています。正しい睡眠リズムを生活に取り入れることで、成長ホルモンが分泌されるのです。
正しい睡眠リズムとは、1日に変動する人間の体温に合わせて睡眠をとるといいようです。
人間の体温は、体内時計にコントロールされていて、1日の中で約1℃の範囲内で変動します。明け方の4~5時頃に最も低く、夜7~8時頃に最も高くなります。睡眠の始まりは、体熱を放散しますので体がポカポカした感じをうけますが、次第に、体の深部の体温(深部体温)を下げて眠りに入っていきます。さらに眠りが深くなり、脳の活動は低下して、徐波睡眠と呼ばれる、成長ホルモンにとって最も適した環境となるようです。
徐波睡眠中は、睡眠中で最も発汗量が多く、ますます深部体温を下げていきます。そして、早朝4~5時に最低体温に達した後に、徐々に深部体温は上昇し始め、朝の目覚めを迎えます。
よく、「夜更かしはお肌の大敵」と言われていますが、体温周期に合わせた理想的な睡眠をとるためには、夜23時に就寝し、朝は6時に起床がよいとされています。
この眠りを確保するために、ハーブティで気分を和らげるとか、ぬるめのお風呂にゆっくり入るとか、ストレッチを行うなどするのも一つの方法です。また、睡眠前に体温を上げることで、その後、体温は下がりやすくなり、その体温の高低差が眠りに誘うようです。
また、睡眠時間が不足すると、満腹感にかかわるホルモン「レプチン」が減り、食欲を増進するホルモン「グレリン」が増えることが分かっています。睡眠不足は、太る原因のひとつだったのです。
さらに、睡眠不足が続くと、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が低下します。エストロゲンには、女性らしさや、肌のハリ・ツヤの維持など、美容的にも重要な役割を担っています。
ついつい忙しいと、睡眠時間を削ってなんとかやりくりをと考えがちですが、人間の体には多くの負担がかかっていることを意識しなくてはいけませんね。